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熱分解GC/MS分析の基礎

ここでは、GCやGC/MS分析についての基礎的な知識や経験を持ち、
一方で高分子材料の熱分解分析法 (Py-GC) についての経験が浅い方や、
今後、熱分解分析を検討される方を対象としてわかりやすく説明します。

3. 熱分解装置

3.1 熱分解GC/MSシステムの構成

熱分解GC/MSシステムの概略図をFig. 6に示します。

この分析システムは熱分解装置、GC、MSとから構成され、熱分解装置でポリマー試料を小さな分子に分解し、分解されたさまざまな種類の小分子をGCでカラム分離し、分離された各成分をMSで検出してパイログラムが得られます。

パイログラムは、MSで検出される全イオン量を信号とするトータルイオンクロマトグラムや、ある特定の質量のイオン量だけを信号とする抽出イオンクロマトグラム(EIC)として表示されます。パイログラムのデータには、各成分の化学構造を反映するマススペクトルも同時に取り込まれているので、マススペクトルライブラリーを用いて各成分を同定することができます。

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Fig. 6 熱分解GC/MS システム図

3.2 代表的な熱分解装置

熱分解装置は以下の3種類に分類できます。

試料チューブをフィラメントで加熱するフィラメント型、合金製試料ホイルを高周波磁界で加熱する誘導加熱型、および試料カップを自由落下で炉内に投入する加熱炉型が代表的な3種類です。

フィラメント型は加熱の温度精度が低く、またサンプルの加熱が均一でないため再現性が低下します。さらに、熱分解成分をGCに導くトランスファーラインに高沸点成分が吸着され、高分子量化合物のGCへの導入が難しくなります。

誘導加熱型は原理的には高い精度の加熱温度が得られますが、合金組成で加熱温度が異なり、発生ガス分析(EGA)法に必要な加熱温度の連続昇温ができません。また、合金製ホイルへの試料の包み方によって測定結果が変動することがあるので、再現性が低くなります。

フロンティア・ラボの熱分解装置は加熱炉型です。
加熱炉型の熱分解装置は、他型の方式に比較して以下の点で優れています。

  1. 設定温度が正確、広範囲で、連続昇温が可能
  2. GC注入口に直接導入できるため、低分子から高分子量化合物のGC導入が容易
  3. 試料をカップに採取しさえすればよいので、測定準備が短時間で容易
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Fig. 7 代表的な熱分解装置

3.3 熱分解GC/MS法の前処理工程 (試料カップへのサンプル採取)

加熱炉型熱分解装置(パイロライザー)を用いる場合の、サンプル採取から分析までの工程を示します。

  • Step 1:【サンプル採取方法】固体の場合は種々の方法で微量のサンプルを採取します。
  • Step 2:【採取したサンプルを試料カップへ】分析法によってサンプル量は異なりますが、通常 0.1~1 mgを使用します。
  • Step 3:試料カップをパイロライザーに導入して、GC/MS分析を行います。

詳しい操作方法はこちらから動画をご覧ください。

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Fig. 8 熱分解GC/MS法の前処理工程

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