小さくても
おっきな夢を持っているF-Lab。
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お手伝いをしている現場を
CHU(チュウ)さんと一緒に
覗いてみましょう。
私たちが生活する環境や、製品の品質、安全を守るために、様々な分析装置が使われています。フロンティア・ラボが開発している熱分解装置は、これら分析装置の一つです。
熱分解装置を使って、天然や合成の樹脂 (ポリマー) を600 ℃などの高温で加熱します。すると、ポリマーは小さな分子に分解されます。その分子をガスクロマトグラフ質量分析計という装置で分析します。分析結果から、ポリマーの組成や添加剤の情報を明らかにします。
身近な例では、ペットボトル・ゴム・ナイロンなどのポリマー製品中に、人体に有害な化学物質が含まれていないかなど、製品の品質や安全性を調べるためにも使われています。
美術館や博物館には、数十年、数百年前の絵画や工芸品がたくさん所蔵されています。これらの美術品を後世に残していくためには、保存修復が欠かせません。
当社の熱分解装置は、このような美術品の保存修復に貢献しています。
また、美術品を分析することで、新たな史実が解明されることがあります。
最近では、江戸時代にタイ・ミャンマーから日本へ漆が輸入されていた史実を科学的に裏付けするために当社の熱分解装置が使用され、テレビ番組で紹介されました。
当社の熱分解装置は、国内では国立西洋美術館や国立民族学博物館、奈良文化財研究所などで使われています。海外では故宮博物院、ルーブル美術館、エルミタージュ美術館、大英博物館、メトロポリタン博物館、スミソニアン博物館、ゲティ美術館...など多くの美術館・博物館で使われています。
当社の分離カラムは、NASAのスペースシャトル内の環境モニタリングに使用された実績があります。
また、近年のNASAプロジェクトでは、火星上に存在した生命の起源を調べる研究が進められており、今後、火星探査機キュリオシティが火星でサンプリングして分析する計画があります。その計画の実現に向けて地球上で実施された予備実験に、当社の熱分解装置が使用されました。
普段の生活で熱分解装置を目にする機会はなかなかありませんが、例えば、自動車や家電、食品・飲料業界の研究開発部門や品質管理など、私たちの身近にある製品を作る過程でも使われています。
また、大学や研究機関、鑑識や税関などでも使用され、熱分解装置は縁の下の力持ちとして、広く社会に貢献しています。